前回はこちら:【CLSラジオ かぴお★radio】クラウドツールが普及し始めたワケとは?
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さあ、始まりました~!!「かぴお★radio」
前回に引き続き、ベンダーに在籍のそーたくんにクラウドツールを選ぶポイントについてかぴお所長が話を聞いていきます。

世の中には数多くのクラウドツールがあります。多くのユーザーではどのサービスを導入すべきかに非常に悩まれるケースが多いと感じています。クラウドツールの導入を考えるポイントがあれば教えてください。

クラウドツールは「比較的安価で手軽に導入可能」という印象を打ち出しているサービスも多くあります。確かに、紙のタイムカードからクラウドの勤怠管理システムに乗り換えるように「点」で完結できるようなケースであれば比較的導入の障壁は低いかもしれません。ただ、業務の最適を考えた時に、紙のタイムカードから勤怠管理システムを導入するだけでなく、人事情報はどのように管理するのか?給与計算へのデータ連携はどうするか?というように、業務全体の最適を考慮すると、多くの検討課題が発生します。

現在は統合型ERPで業務の全体最適を考えるサービスも増えてきています。私は統合型のERPサービスを扱っているベンダーに属しているので、どうしても統合型のサービス側の意見にはなりますが、データを一元管理するような仕組みを実現した方が中長期的な視点でみると良いと思います。こういったERP型のサービスではマスターのデータベースを中心に置くことで、情報を一元化し、連携しているサービス間で情報連携を行うことができます。もちろん、先ほどあげた「点」で展開しているサービスでも、他社のベンダーのプロダクトと連携できる場合も多くあります。

ふむふむ

ただこういったケースではどうしてもシステム間の親和性が弱くなることが多いので、統合型ERPと比べると、情報連携が弱くなります。導入のしやすさに重きを置くか、システム運用として最適状態の実現に重きを置くかで選択肢が変わってくると思います。あとはマスターが連携していないサービス同士を併用すると、マスターの情報を更新するための手間が発生する場合があります。個人的には情報の上塗りは連携としては思わしくないと考えています。最終的には導入を検討されるユーザー様にとって何を優先させるかが一番重要ですね。
ERPのシステム例 ~かぴお所長が解説~


私がお客様に提案をする際は必ず、導入の目的を明確にするところから始めます。

少し、例をあげます。A社の勤怠管理システムと、B社の給与計算システムを導入することが一番安価で手軽という場合には有力な選択肢になるかもしれません。しかし、先ほどお話したように二つのベンダーのシステムを使うことで、新たな問題が発生することがあります。A社のサービスとB社のサービスが自動連携をしない場合、毎月給与計算時に、CSVデータでの連携等を行う必要が発生します。ダウンロードしたCSVデータをそのままアップロードするだけなら比較的スムーズかもしれませんが、B社のシステムにA社のデータを取り込むために、CSVデータを加工する必要が発生すると、誰でも簡単にできる業務とは言えなくなります。

なるほど~

逆に給与計算は外部にアウトソーシングしているので、勤怠管理が簡素化されれば良いという目的であれば、選択肢は大きく変わってきます。
自社でやらなければならない業務が何なのか、その場合はどのような管理を理想とし、定義するのかを考えるところから始めるべきだと思います。

少し失礼な言い方になりますが、多くのお客様とお話する中で、特に実務担当の方が窓口になると、ご自身のタスクベースでのイメージが先行するため、自分がやってる業務をそのまま置き換えるかたちで、「これができますか?あれはできますか?」という、〇✖の質問に陥りがちです。そうなると、この機能がないので乗り換えは難しいといった一部の側面しかみられない検討になります。

ほーう

なので、私の場合はまずお客様と5ヶ年ぐらいの運用を視野にいれた理想の管理方法をまず定義した上で、検討しているサービスの世界観と理想の管理方法が合致しているかを確認することが一番大切だと思います。一部分の機能面だけを見てサービスを検討するとこの先違った問題に直面する可能性があります。

まずは理想の定義づけを行い、何年か後の理想の形を明確にし、その理想にサービスがマッチしているかを確認します。その中で優先度が高い機能を並べて〇✕をやっていくという順番になると思います。私の考えでは価格が本来一番最後に考えるポイントだと思います。どうしても費用面には最初に目が行きがちではあるんですけどね…(苦笑)。

価格だけで決めるのは、思わしくないということですね。

あるべき理想の定義づけを最初に行い、その世界観にあうツールを探していくことが大切なんですね。
とても参考になりました。そーたくん、ありがとうございました。
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