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ベンダーインタビュー2022年6月号/株式会社フリップロジック井川氏 #1

 

2022年6月号のベンダー特集ではクラウド販売管理システム「flam」を提供する、株式会社フリップロジックのCEO井川隆志氏を取材した。第1回ではフリップロジック設立の経緯やフリップロジックはどんな組織なのかについてお話を伺った。

 

——では早速、自己紹介をお願いします。

株式会社フリップロジックの代表取締役の井川と申します。よろしくお願いいたします。

撮影場所: 株式会社フリップロジック本社/写真撮影: Hisabori Shunsuke

設立のきっかけは30店舗と本社をつなぐ基幹システム構築の案件

 

——株式会社フリップロジック設立の経緯を教えてください。

2004年に前職を退職、1年後の2005年に株式会社フリップロジックを設立したのですが、前職の退職後、当時懇意にしていただいていた、ある化粧品メーカーの会長がいらっしゃいまして、その方から都内約30店舗の売上と商品在庫を本社で一元管理できないだろうか?というご相談を頂きました。

当時は退職直後で時間もたっぷりありましたので、それではご提案だけでも…と言う事になり、「多店舗対応型の販売管理システム」をご提案させていただきました。

当然、今の様なクラウドシステムは全く普及していない頃で、当時はオンプレでしたが、本社店舗間をVPNで接続しリアルタイムに売上や在庫の状況を把握できるシステムとして提案させていただいた所、えらく気に入っていただき、正式に構築を依頼されることになりました。

その際、正式契約には法人化が必要ということとなり、株式会社フリップロジックを設立する運びとなった。という経緯です。

ただ、システムの提案をしたのはいいのですが、実際には0からの設計・開発、30店舗の導入、導入後の教育までとなりますと相当規模も大きく、当然一人では対応が困難だったんですね。
そんな中、力を貸してくれたのが現在当社のCOOである石原と、CTOである高木です。
当時、彼らは別の大手システム開発会社にPM、SEとして在籍していたのですが、フリップロジック設立時に2人がジョインし3人体制で株式会社フリップロジックがスタートすることになりました。

撮影場所: 株式会社フリップロジック本社/写真撮影: Hisabori Shunsuke

——井川さんのご経歴についてお聞かせ頂けますか?

もともと大手の電機メーカーの生産ライン等に設置されている自動検査機、自動調整機のシステム設計・開発をしていました。

対象はオーディオ機器やビデオデッキ等で、それら機器の波形処理や生産ラインに流れる個体の調整や検査等を自動化するためのハードウェア、ソフトウェアの設計に長く関わってきました。いわゆる生産技術系、FA(※ファクトリーオートメーション)の仕事です。

当時は国内の多くの生産工場が海外に生産をシフトする真っ只中で、私も特に東南アジアを中心に、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、ドイツほか、海外出張を多く経験させて頂きました

各地での生産ラインの立ち上げ等の仕事に携わっていたのですが、そんな中、ちょうどバブルの崩壊で在籍していた会社もご多分に漏れず、苦境に陥りました。

その後、いろいろ諸事情があってその会社を退職し、システム開発の会社にしばらく身を置くことになりました。その会社を退職した後、株式会社フリップロジック設立という流れになります。

 

開発4名、サポート4名の少数精鋭組織

 

——株式会社フリップロジックはどのような組織なのでしょうか?

フリップロジックは、開発部門であるテックチームと、サポートチームの2部門で構成されています。

そのうちサポートチームは、お客様と直接様々な情報のやりとりや窓口業務を担っており、営業的な役割もあります。

実は当社は一般的な営業部隊が存在していません。ちょっと変わった組織だと思われるかもしれませんね。

現在、flamの無料トライアルでは月間約150~200件程度のお申込みを頂いています。無料トライアルのユーザーにとっては、実際にflamが自社の業務にマッチするかどうかを検証する目的があって、問い合わせの内容も単純にflamの機能面に関する質問から、そのお客様独自の相当ディープな運用面に至るまで、ご相談内容も様々です。

また、すでにflamをご契約頂き導入済みのお客様は現在約1000社様ほどいらっしゃいますが、こちらでは、導入後のカスタマイズ相談や経理・会計処理に関する質問なども継続して寄せられてきます。

サポートチームでは、そういったユーザーの様々な問い合わせやご相談に対応する必要があるので、flamの機能や運用方法はもちろんのこと、様々な業務に関する知識等高いレベルで求められます。

当社のサポートチームは先ほどのユーザー数に対し、現在、4名で対応している状況です。

対してテックチームでは、年間70~100回近くのflamのバージョンアップ対応を行っています。

これらバージョンアップは機能の追加や操作性の向上、高速化などを行っているのですが、これらflamのアップデート以外では、お客様の要請、要望によって発生するflamのカスタマイズにも多く対応している状況です。

テックチームもサポートチーム同様、現在4名で開発業務にあたっています。

こういう組織体制である事を、同業のシステム会社さんとお話すると皆様驚かれます(笑)。

ですが、正直な所まだリソースには多少余裕がある状況なんです。非常に優秀なスタッフに恵まれ感謝しか無いです。

これまで私達は少数精鋭の組織づくりを目指してきましたが、特にこの2年間ほどは相当な業務改革を進めてきました。

各種業務の効率化や自動化に積極的に取り組み、例えば、残業時間はこの2年で4分の1ほどに圧縮することができ、現在スタッフは大抵定時に退社してるというような状況です。

 

ロスを削減するために行う徹底的な効率化

 

効率化を実現するために、業務を詳細に仕分けし、とにかくロスを削減することに注力しました。

合わせて、自動化できることを見つけてはどんどん自動化を進めてきました。

また、効率化も必要ですが、同時にお客様に対して提供するサービス( flamの機能面であったり、またはサポートのお客様に対する対応)の品質も向上する必要があります。

それらを実現するために、とにかく作業の無駄を徹底的に排除することに取り組みました。

効率化のためには、今までやっていたことを全て根底から発想を覆して組み直すことを全然いとわない、社員全体がそういう思いで全ての業務に当たっています。

そういったカルチャーが育っているのが株式会社フリップロジックの特徴じゃないかなと思います。

撮影場所: 株式会社フリップロジック本社/写真撮影: Hisabori Shunsuke

 

少数精鋭でありながら現在のユーザー数に十分対応可能な体制

 

——本当に少数精鋭の体制でやられていらっしゃるんですね。とても驚きました。

ありがとうございます。

ただ、「少数精鋭ですごいよね」という評価も頂く反面、逆に少数で大丈夫か?と心配されることもあると思います。

確かに、テック、サポート両チームとも稼働率は相当高く、スケジュールも相当タイトであることに間違はないのですが、実際のところ、現在のユーザー数でも今の両チームの体制で十分対応可能な上、まだ余裕はあります。

あと、余談ですが当社は営業部門の他、経理部門にも人員を抱えていません。個人情報や機密情報を取り扱う部門や担当以外は、ほとんどの業務をアウトソーシングしています。

 

自分たちが課題に感じることはユーザーも課題に感じているという考え

 

——経理業務をどのように行っているのでしょうか?

以前は他の会社様と同様、経理作業を社内で行っていましたが、現在は全て自動化するかアウトソーシングしています。例えば、請求書の発行やマネーフォワードクラウド会計の入金情報をflamに連携する自動化をテスト的に社内で行っています。

——その連携はいずれflamの機能として追加されるのでしょうか?

じきにリリースする予定です。

——それはとても楽しみですね。

はい。私達も楽しみです(笑)。

我々が課題に感じていることはユーザーも課題に感じていることだと考えています。RPAを活用してマネーフォワードクラウド会計の入出金情報をそのままflamに取り込み、自動に消し込む形を想定しています。

——非常に楽しみにしています。

 

 

ベンダーインタビュー2022年6月号/株式会社フリップロジック井川氏 #2へ続く

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