CLSデジタルラボ2月号では株式会社マネーフォワードと『マネーフォワード クラウド』を全4回で特集する。マネーフォワードという組織について、マネーフォワードの役割、プロダクトについてそして今後の展開を含め、愛知県を始めとした東海エリアを中心に活動している東海支社の支社長の森本崇暉氏にお話を伺った。シリーズの第1回は東海支社長の森本氏について、そしてマネーフォワードとはどんな会社なのかに着目した。
——本日は宜しくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
株式会社マネーフォワードの東海支社長をしています。森本崇暉(モリモトタカキ)と申します。宜しくお願いします。
前職は金融機関で営業を担当し、2018年8月からマネーフォワードで働いています。2021年6月より東海支社長として勤務しています。主に愛知県エリアを中心に士業様、パートナー様向けの営業活動と、ユーザー様向けに『マネーフォワード クラウド』の導入サポートを行っています。
「お金を前へ。人生をもっと前へ。」への共感
——マネーフォワードで働き始めた経緯を教えてください。
元々金融機関で比較的金銭的に余裕のあるお客様に向けて金融商材等販売する営業担当をしていました。しかし、自分が金融機関で本当にしたかった仕事というのは、「お金に困っている人を支援する」ということだったので、実際の業務とのギャップから転職を考えました。マネーフォワードが掲げるミッション「お金を前へ。人生をもっと前へ。」は自分の中ですごくしっくりきた部分があったので、マネーフォワードへの転職を決めました。
——森本さんってどんな方なのか教えてください。
当社では社員全員が分析ツールを用いた自己分析を行うのですが、その中で主に5つの要素に着目します(凝縮性、弁別性、受容性、保全性、拡散性)。私はこの中で特に保全性が高く出る傾向にあり、自分でもその通りだなと思います。一つの事柄に対して、何かリスクを取ってチャレンジするというよりも、「地道にコツコツ取組、確実な成果を出す」といった選択をすることが多いと自覚しています。逆に保全性の対角にあるのが拡散性で、積極的にリスクを恐れずチャレンジする傾向があります。

性格は変わらない、意識して行動することが大切
——なるほど、社員全員の性質をきちんと分析し、データベース化しているのがマネーフォワードさんらしいなと思いますが、森本さんには他にどのような傾向があるのでしょうか?
私の場合、保全性以外では弁別性が高く出る傾向にあります。弁別性とは白黒をはっきりしようとする性質のことで、恐らく同僚や部下からも「森本は白黒付けたがる人間だ」という認識を持たれていると思います。逆に拡散性は比較的低い傾向にあるので、リスクを恐れずに積極的にチャレンジすることをできるだけ心がけています。性格は基本的には変わらないモノと言われているので、意識して行動する必要があります。
個々の傾向をしっかりと活かしたチーム作り
——「タレントマネジメント」は以前から注目されてきているものだと思いますが、マネーフォワードさんの社内ではこういった人材のデータベースはどういった場面で活用されているのでしょうか?
プロジェクトや新たなチームが立ち上がる際の参考データとしてます。基本的に短期間での成果を求める場合は同質性の高い者を組ませた方がより成果を発揮しやすい(まとまりやすい)、逆に中長期的なプロジェクトで動く場合は同質性の低いチーム、つまり様々なタイプの人材を組み合わせた方が成果が出やすい、新しいモノが生まれやすいといわれています。新入社員のフォローを任せる担当者を決める際も、新卒入社の社員には同質性の高いメンバーを、中途入社のメンバーのフォローは逆に同質性の低いメンバーを選定するケースが多いです。
——人材データベースを最大限活用している組織であるということですね。正にデータベースに強いマネーフォワードさんらしい非常に興味深いお話でした。
「ミッション、ビジョン、バリュー」の浸透
——次に、森本さんから見た「マネーフォワードのここが良い!」を教えてください。
社員全員といっても過言ではないくらい、全社的に「ミッション、ビジョン、バリュー」が本当に浸透しているなと感じます。かつて、就職活動や転職活動中に様々な会社の経営者から経営理念やビジョンに関する話を聞いた中で正直、ピンと来ることが少なかったのですが、マネーフォワードでは入社の前も後も違和感がなく、ミッションの「お金を前へ。人生をもっと前へ。」や「すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。」あるいは「ユーザーフォーカス」や「スピード感をもって」といったカルチャーを社員全員が体現していると思います。社内のメンバーはこういったミッション等へ共感が強く、信念をもって働いているメンバーが多いです。1000人規模の組織になった今でも、こういったこと(ミッションやビジョン等)が定着しているということはとてもすごいことだと感じています。方向性が同じメンバーなので非常に仕事がしやすく、ぶつかったとしても目指す方向は「ユーザー様のため」といった部分で共通認識が持てていると思います。
「お金で悩んでいる人を支援したい」という強い想い
——何がそういったビジョンの共感や浸透につながっている要因だとお考えですか?
ほかのメンバーの話を聞いても、過去の経験をきっかけにマネーフォワードに入った人が多い印象があります。自分自身も「お金で困っている人を支援したい」という強い想いで入社しましたが、メンバーの中には家庭の事情でお金で苦労をした経験があり、「お金が理由でチャレンジができない」というような人を減らしたいといった想いで入社をしてくれたメンバーもいます。「お金に困っている人を支援したい」と思っているメンバーによって構成されている組織だからこそ、よりつながりの強い組織となっているのではないかと考えています。当社の代表が全社朝会等の場で直接、ミッション、ビジョン、バリューについて語る機会が多いことも全社的な浸透につながっていると思います。
「変化に順応」することと「不変である」べきもの
——確かに、以前、他社ベンダーさんからも「マネーフォワードさんは営業活動時に顧客先の経営者に目指したいビジョンを示すのがとてもうまい」と言われているのを聞いたことがありました。組織的にそういったコンセプトを共通認識を持てる体制を作っているのがマネーフォワードさんの強さの秘訣かもしれませんね。
業界の性質上、様々な変化が生じます。変化に適応していく、あるいは変化に対応していくことはとても重要だと思います。だからこそ、ぶれない部分「ミッション、ビジョン、バリュー」といった形で軸が維持されていることは重要だと考えます。
ユーザー様のために動きやすい環境
——森本さん個人がマネーフォワードのここが好きという部分を教えてください。
全社員が信念をもって働いているからこそ、かなり個々への裁量に任せられていることが大きな特徴としてあります。営業担当者としてユーザー様の意見を見聞きすることはとても多いのですが、そういった情報を元にプロダクトへの改善が反映されることがあります。ユーザー様のために活動しやすい組織であるということはとても気に入っています。
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